【タイミングベルトは10年で交換必要?】役割や交換時期について解説!

同じ車を10年乗り続けている場合、タイミングベルトの交換をした方が良いと勧められることがあります。

一般的に走行距離10万kmが、タイミングベルトの交換時期だと言われています。

それでは、どうして走行距離10万km未満でも、タイミングベルトの交換を勧められるのでしょう。

 

タイミングベルトの交換費用は、高くなる場合が多いので、走行距離10万kmまで不要ならば、交換を見送りたいところです。

しかし、タイミングベルトは10年で交換した方が、安心して車に乗り続けられます。

この記事では、タイミングベルトの役割やどんな時に、交換が必要になるのか解説します。

 

タイミングベルトは何の働きをしているパーツなのか

タイミングベルトは、クランクシャフトとカムシャフトの回転するタイミングを、連動させる重要な働きをしています。

クランクシャフトとカムシャフトの回転するタイミングがずれてしまうと、エンジンは正常な動作ができなくなってしまうからです。

 

エンジンが正しく動くためには、「吸気」、「圧縮」、「燃焼」、「排気」の4つの工程を、正確なタイミングで繰り返す必要があります。

 

タイミングベルトの働きによって、エンジンはスムーズに「吸気」、「圧縮」、「燃焼」、「排気」のサイクルを正常に繰り返せるのです。

 

タイミングベルトが切れたり、コマ飛びするとカムシャフトとクランクシャフトの回転する動きがずれてしまいます。

当然、エンジンは本来のパフォーマンスを出せなくなりますし、最悪の結果、エンジンが壊れてしまうでしょう。そのため、タイミングベルトのメンテナンスや交換は重要です。

 

タイミングベルトが10年で交換が必要な理由

タイミングベルトは、ナイロンやグラスファイバー繊維を骨格として作られた、ゴム製のベルト素材が使われています。

耐久性の目安は、一般的な国産車で、走行距離10万kmの交換を推奨されている場合が多いです。ゴム素材から作られているタイミングベルトは、車の乗り方や熱の影響で経年劣化し、硬化やひび割れなど機能低下が発生します。

たとえ10万km走行していなくても、新車から10年も経てば、タイミングベルト本来の働きや、形状を保つのが難しくなるでしょう。

輸入車の場合は、国産車ほどの耐久性が高くないとの理由から、5年または4万kmでの交換を推奨されている場合もあります。

 

タイミングベルトを限界まで使い切るのは難しい

タイミングベルトを限界まで使いきるのは、現実的ではありません。

タイミングベルトは、普段カバーで覆われている部品だからです。その為、タイミングベルトの状態を、目視で確認するのは難しいでしょう。

もちろん、自分でカバーを外せば点検できますが、そこまで知識がある人や、手間をかける人は少ないでしょう。

また、タイミングベルトは機能面で、徐々に調子が悪くなるパーツではありません。

切れる時には、一気にちぎれて壊れます。ベルトが切れた直後の異音や、異変で気がつく事がほとんどです。

走行中にタイミングベルトが切れると、エンジンが止まるので大変危険です。当然、走行できなくなるので、レッカーなどロードサービスの手配が必要になります。

その為、推奨された走行距離や使用年数で、タイミングベルトを交換するのが安心安全です。

 

タイミングベルトが切れると修理代は一気に高くなる

タイミングベルトが切れると、修理代は一気に高額になります。

カムシャフトとクランクシャフトの回転タイミングが狂ったことで、ピストンとバルブが干渉して破損してしまうからです。

破損したピストンやバルブの交換修理には、エンジンの分解が必要になります。

エンジンを分解するためには、車からエンジンを取り外さないと作業ができません。エンジンの取外しには時間と技術を要するため、修理代はとても高くなってしまいます。

走行距離や使用期間でタイミングベルトの交換が推奨される理由は、タイミングベルト切れによる、深刻な損害を防ぐためです。

定期点検や交換スケジュールに従うことで、エンジンの安定した動作と故障の予防が可能となります。

 

タイミングベルトの寿命を短くしてしまう要因

走行距離や使用年数で、交換タイミングが指示されるタイミングベルトですが、管理状態や運転の仕方でも寿命は変わってきます。

どんな状況で、寿命が短くなってしまうのかを理解できれば、より適切なタイミングで、点検や交換をしてもらえるでしょう。

 

エンジンオイルの管理状況がよくない

エンジンオイルの交換サイクルが適切でない車両は、カムシャフトとクランクシャフトがスムーズに回転できません。そのため、タイミングベルトに余計な負荷がかかり、寿命を短くしてしまいます。

カムシャフトやクランクシャフトのガスケットなどから、漏れたオイルがタイミングベルトに付着しても、寿命は短くなります。

 

冷却水が規定量入っていない

冷却水が規定量入っていないと、エンジンをしっかりと冷やせません。

エンジンが冷えなければ、エンジンルーム内の温度がどんどん上がり、あらゆるパーツに熱害を与えます。

特にゴム素材でできたパーツには影響が大きく、タイミングベルトも寿命が短くなってしまいます。また、冷却水が漏れてタイミングベルトにかかってしまうのも、寿命を短くしてしまう要因になってしまうでしょう。

 

車に乗る機会が極端に少ない

車に乗る機会が極端に少なくても、タイミングベルトの劣化が早くなる場合があります。

ゴム素材でできているタイミングベルトは、車を使わずにエンジンを動かす機会が少ないと、柔軟性を失ってしまうからです。

たとえば、車を長期間同じ状態で放置すると、タイミングベルトが固着して変形してしまいます。最悪の場合には、タイミングベルトが固着してエンジンを動かせなくなるでしょう。

 

高負荷がかかる運転をする機会が多い

高負荷のかかる運転をする機会が多いと、タイミングベルトの寿命を短くします。

タイミングベルトに高負荷がかかる時間が長いからです。次のようなケースでは、タイミングベルトに高負荷がかかります。

  • 日常的に急発進や急加速、急ブレーキなど「急」の付く車の運転をしている
  • 高速道路や山道などを走る機会が多い
  • ハイパフォーマンスなスポーツカーなど、エンジンのトルクやパワーが強い車

高負荷のかかる運転をする機会が多い場合には、タイミングベルトの点検や交換は、早めにするのが良いでしょう。

 

タイミングベルトからタイミングチェーンへ

最近は、タイミングベルトの代わりに、金属製の「タイミングチェーン」を採用する車が増えています。

タイミングチェーンは、耐久性がとても高いのが特徴です。走行距離20万km程度まで使い続けられます。

つまり、一般的な車の使い方をする人にとっては、交換する必要がない部品になりました。

 

タイミングチェーンの歴史は古く、1980年代以前の車でよく採用されています。

しかし、当時のタイミングチェーンは、走行中にチェーンが回転して発生する、金属音が大きいデメリットがありました。また、製造コストがとても高いことがネックとなっていました。

そのため、今でも静粛性やコストの安さに優れた、タイミングベルトが多くの車に使用され続けています。

 

2000年代以降、静かなタイミングチェーンが開発されます。

製造技術も上がったためコストも押さえて作れるようになりました。現在では、タイミングチェーンが使用された車が増えてきています。

耐久性がとても高いタイミングチェーンですが、エンジンオイル管理には注意が必要です。エンジンオイルの定期的な交換が行われていないと、チェーン負荷がかかりチェーンが伸びて切れやすくなります。


 

タイミングベルトの交換に必要な費用はどれぐらい

タイミングベルトの交換費用は、カーディーラーや整備工場などによって異なります。

一般的な相場は5万円前後です。ただし、車種によっては10万円以上かかる場合もあります。

タイミングベルトが切れると、エンジンが壊れて修理費用が高額になるのは、先に説明した通りです。

他の部品交換と比べて、費用が高額になるタイミングベルトの交換は、なかなか踏み切れない人もいらっしゃるでしょう。

経済的に余裕のない時は、交換を延ばしたくなるかもしれません。ただし、高額な費用はタイミングベルトの部品自体が高価なわけではありません。

実際には、タイミングベルト自体は数千円程度で購入できる部品です。

 

タイミングベルトの交換は工賃が高くなってしまう

タイミングベルトの交換費用が高額になるのは、作業工賃が高くなってしまうからです。タイミングベルトの交換には、多くの部品を取り外さなければなりません。

一般的な車でタイミングベルトを交換するためには、エアコンベルト、パワステベルト、ラジエター、クランクプーリーなどを取り外す必要があります。手間と時間がかかるため、工賃も高く設定されています。

また、タイミングベルト交換時には、現在問題がなくても交換を推奨、または必須とされる部品が多いのも、費用が高くなる理由です。

 

タイミングベルトと一緒に交換したい部品

タイミングベルトの交換時期である、10年または走行距離10万kmは、さまざまな部品も寿命を迎えるタイミングです。

多くの部品を取り外している、タイミングベルト交換の際に他の部品も交換してしまえば、長い目で見たときに工賃の節約になります。

タイミングベルトと一緒に交換したい部品は、下記の通りです。

  • ベルトテンショナー
  • アイドラープーリー
  • カムオイルシール
  • クランクオイルシール
  • ウォーターポンプ
  • エアコンベルト
  • パワステベルト

タイミングベルトの交換費用が高く感じられる要因は、交換する部品が多いのも理由の一つです。

 

タイミングベルトを自分で交換できるのか

車の知識やメンテナンスの経験の豊富な方でないのならば、カーディーラーや整備工場に依頼するのがよいでしょう。

タイミングベルトの交換には、メンテナンス知識や工具などが必用です。

タイミングベルトは、正しく交換できないとエンジンを壊してしまいます。DIYで交換するには難易度が高いでしょう。

 

簡単に見えるタイミングベルトの交換ですが、クランクシャフト、カムシャフト、ベルトを正確な位置に合わせる必要があります。また、エンジン周りの部品に触れることも多く、リスクも考慮する必要があります。

タイミングベルトの交換は、プロに依頼するのがおすすめです。

気になる方は、最寄りのディーラーや整備工場に相談してみると良いでしょう。

 

まとめ

タイミングベルトは、10年または走行距離10万kmで交換するのがよいでしょう。

タイミングベルトの交換を怠ると、最悪の場合ベルトが切れる可能性があります。

走行中にタイミングベルトが切れると、エンジンが突然停止してしまい危険です。さらに、エンジン内部が損傷する可能性が高く、タイミングベルト交換費用より、はるかに高額な修理が必要になる場合もあります。

タイミングベルトは、交換目安を守って整備するのが重要です。

 

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